2013年10月14日月曜日

浦港から集落の方へ進んでゆくと、公民館「高見いこいの家」が右手に見える。
左手にある急な坂を上ってゆくと、空き民家を利用した作品群へと続く。

さあ「がんばって坂を上ろう!」と気合いを入れているところに、「茶粥はどうですか〜」との女性の声。その声がとても素敵だったので、お接待にあずかることとなる。



地域の伝統料理である茶粥。対岸の四国多度津町に嫁いだ高見島育ちの奥様が、茶粥を運んでくださった。巡礼の伝統のある四国では「お接待」の伝統を持つ。巡礼者を力づけるために、無料で提供される食べ物。
瀬戸内国際芸術祭は、瀬戸内の島を舞台としたアートの巡礼とも言えなくはない。降り止まない雨に冷えた体に、あたたかな茶粥が何とも言えず有り難い。



茶粥は「どくけし」と呼ばれる雑草の種を煮出した汁で作られる。この茶色い粒が、「どくけし」の種を乾燥させたもの。



こちらは、刈り取ったばかりの「どくけし」。
高見島を散策しているとあちこちで見つけることができる。
「どくけし」という名が語るように、島の先人方は、野草の持つデトックス効果をご存知だったのだろう。巡礼者の疲れを癒す茶粥は、まさに「どくけし」。

秋会期中の土・日・祝のみ、一日100食の茶粥が、高見いこいの家でふるまわれる予定だ。茶粥をお運びくださる地域の人たちとの会話に、心が弾むひとときでもある。